桐朋学園大学在学の頃から書いていた弦楽四重奏。弾くのも大好きでした。
今頃天国で歌でも歌っていらっしゃるいらっしゃるはずのレジェンド山本直純氏が指揮するオーケストラに、音大に入るまで所属していたのでオーケストラも大好きでしたが、弦楽四重奏となるとやっぱり長年付き合ってきた弦楽器だしスイッチが入っちゃう。そして日本フィルハーモニー交響楽団の首席ヴァイオリン奏者であった石井啓一郎氏に、カルテットの楽しい秘密を演奏を通じて教えて頂いたと思います。
クラシック作品は良いとして、ポピュラーを弦楽器で弾くとなると、グルーヴを表現するのは結構難しいのです。良いアレンジの楽譜はほとんど無いので(高音担当のヴァイオリンとチェロしか活かさないとか、やたらユニゾンだけとか弾きにくかったりとか)自分で模索し始めたのですが、奏法は知っていてもリズムを知らなきゃ楽譜は書けない!という事で、本来ならばアフリカまで行きたいところですがキューバという特殊な音楽文化がある国へ縁があって飛びまして、アフリカ由来の太鼓文化、クラシックの影響の強い音楽からポピュラーまで勉強しました。
その後はアメリカやスペインなどなど旅が続いたわけですが、これだけネタがあるとたった4つの楽器だけれどきっとおっきな世界が描けるのでは、と前からあたためておりました。
やっと形にしました。本来の目的の楽譜製作はこれからです。
演奏する仲間は、同じようなジャンル、ポピュラー音楽の経験のあるプレーヤーと共演したいのは山々でしたが、むかーしからある「クラシックとポピュラーの隙間」を可能な限りなくすために敢えてクラシックの現場にいるメンバーに声をかけました。
私が学生の頃は、先生の中に「ああ、あっちの音楽に行ったのね」と見下すような発言をする方もいたし、ジャズの有名人たちが「まあクラシックはクラシックで凄いことやってるんでしょうね」と皮肉った会話もあったり、ウ・ン・ザ・リ!!でしたが、最近は皆様お互いにリスペクトしている方が多いようです。
戦後の詰め込み教育で、音楽もスパルタでまずはダメ出し。技術は上がったけれど表現力は失ってしまうよね。海外に行くと時々「日本は技術はいいけど、、」と言われました。技術は大事で磨くのは時間もお金もかかるし、子供の頃も遊ぶ時間を削って練習するわけなんですが、「音楽が好き」を忘れてはいけないですよね。そして、クラシックが中心と思っておられる日本の化石みたいな人々も、世界の音楽の歴史に触れて「音はなぜ生まれたのか」と原点を振り返っていただきたい。
そういう意味ではジャズ、ワールド含めポピュラー音楽は絶対「好き」が基本だから音楽コミュニケーションもわかりやすくて私の好きな部分の一つです。
メンバーに恵まれ、音作りの過程は非常に面白かったです。クラシックの現場はポピュラーよりとってもアナログで、時々オーケストラなどのお仕事をすると一昔前に戻ったような気分になります。音の共有感がもう想像を絶するほどの共有で、例えるならば、同じ台本を声の大きさ、抑揚、声質、全体の流れなど、人間だからずれることはあっても可能な限り揃え、かつ一瞬人格を変えたり戻したり、の連続。その美しいアンサンブルを活かしながらグルーヴを作ることに一番夢中になりました。
まだまだ第一歩。どんどん変化していって沢山のゲストも招いて、日本初の新しい世界を作っていくつもりです。
私のことをラテンヴァイオリニストと思っている方が割合といるようなんですが、一つの音楽だけ演奏することは私には出来ないのです。ラテン専門といえるほど知識はないです。雰囲気です。
まあキューバは1年居たので少しだけ詳しいですが。
あ!ところで医療大国キューバのインターフェロンが中国に送られて、コロナ感染者の治癒を少し助けたようですよ。日本語での情報が少ないからスペイン語で検索したら結構でてきた。
早く収まるといいですね。
我々も大変だけど日々経費のかかる店舗はもっと大変。「悲鳴も出ません」と仰ったとあるお店の方の言葉が重い。ジャンル問わず大手も小さなところもどこも苦悩ですね。
ドイツの文化大臣が「文化は、良い時にのみ与えられる贅沢ではありません、小さな規模のものまで守ります」と支援の声明発表。ううううう羨ましい。
4月20日の発売記念ライブは何とか実現させたいと願うばかりです。
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